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液晶材料工学

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准教授:古江 広和

神秘的な世界を魅せる

“液晶”は液体と結晶の両方の性質を兼ね備えた第4の状態を示す物質として非常に興味深い材料です。当研究室では、次世代ディスプレイ材料として期待される強誘電性液晶や液晶/高分子複合系など、液晶の基礎物性から応用にわたる幅広い研究を行っています。液体の流動性と結晶の異方性の協奏は神秘的世界を創生し、生命体形成の重要な役割も果たしています。“液晶”と“生物”の関係性を探るべく研究も進めています。

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研究例

高分子安定化強誘電性液晶ディスプレイ

強誘電性液晶は従来のディスプレイに用いられている液晶材料より1000倍速い応答性を有しています。この高速応答性を利用することによって美しい動画表示や大幅な低消費電力化が可能になります。一方で、強誘電性液晶を実用化するためには、分子配向構造の無欠陥化や電場応答の単安定化が必要です。本研究では、均一配向を実現するための配向膜に関する調査(高分子材料、配向処理方法)および単安定化のための高分子安定化技術に関する検討を進めています。配向膜の表面形状が強誘電性液晶の分子配向に強く影響することを明らかにし、非常に平坦な表面を有する配向膜を用いることによって、無欠陥の構造を実現しました。現在は、ディスプレイ応用へ向けて、更なる一様配向化を目指しています。高分子安定化は、高分子の特性を付与することにより、液晶の性質を改善したり、新奇特性が発現し得る興味深い技術です。強誘電性液晶に適用することにより、ディスプレイ応用に求められる単安定化を実現しました。実用化に所望とされる特性(駆動電圧、応答時間、コントラスト比など)を実現すべく、液晶・高分子材料、高分子導入方法等の検討を行っています。

高分子安定化強誘電性液晶ディスプレイ

液晶を利用したナノ構造材料の創製

液晶は、液体としての流動性と固体結晶としての規則性・構造を有するため、生体同様、自己組織化によってナノスケールの構造形成が容易に可能であると期待されます。自己組織化に基づくボトムアップ型のナノテクノロジーは高機能性材料を省エネルギーで実現できます。本研究では、ナノスケールの三次元周期構造を有する液晶に着目し、ナノ構造材料への応用を目指しています。現在、三次元構造液晶としてブルー相が広く知られていますが、その発現条件や熱安定性には未知の部分が多く存在します。我々は、ブルー相の発現およびブルー相構造の固化、機械的性質などの特性評価を通じて、液晶を利用した材料創製法の確立を試みています。また、ブルー相の構造は歯の構造に極めて類似しているなど、生体との関係も興味深いところです。液晶状態を利用して自己組織的に生体構造が形成されるという視点に立てば、生物に見られるような超高機能性を有する材料の開発も液晶を用いれば実現可能と考えています。

ナノ構造材料

DNA添加液晶

全ての物質は原子や分子から構成され、原子・分子自体に特別な違いはありませんが、“生物”は自己組織化や高機能性の点で他物質とは大きく異なる性質を有します。一方、“液晶”の特徴もこれと一致します。すなわち、“生物”と“液晶”は密接な関係にあります(端的に言えば、液晶状態無しに生命は生まれない)。本研究では、両者の関係性を探るべく、生体分子としてDNAを添加した液晶について、分子配向構造や電場応答性について調べています。DNAの塩基配列や添加する生体分子によって液晶の物性が変化すれば、液晶を利用したDNA塩基配列解析やバイオセンサーが可能になります。また、生体分子の添加によって、生物同様の超高機能性を有する液晶やその液晶を利用した様々な材料の開発も期待されます。我々が普段使用している液晶は均一系で一様分子配向したものですが、複合系の液晶は未知なる可能性を多大に秘めています。

バイオマターそのDNA添加液晶

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