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無機ガラス材料工学

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教授:安盛 敦雄
講師:中西 貴之

地球から学びながら素晴らしい材料を創ろう

ガラスは六千年以上前から作られ続けている美しい材料で、窓や食器などに広く使われています。一方、現在の光通信システムやTV・PC・スマートフォンのディスプレイなどは、先端ガラス材料が無ければ成り立ちません。私たちは、このようなガラス材料の持つ美しさと、多様な光・電子・機械的機能をさらに発展させて、資源や環境、エネルギー問題、さらにはバイオ・医療にも役立つ、様々な機能を有する無機ガラス-セラミックス材料を中心に研究を行っています。

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研究例

白色LED照明用や装飾・展示用の蛍光ガラスの開発

酸化物ガラスの中で、シリカ(SiO2)を主要構成成分とするケイ酸塩ガラスは、光学的特性、化学耐久性、熱・機械的特性、成形性にすべて優れた材料です。一方、ガラスは様々な機能性物質(ゲスト)を取り込んで、その機能を高めるホスト材料としても優れています。例えば、遷移金属イオンが入ったガラスは美しい色のガラスとなり、実用性と芸術性が両立した材料となります。
 現在、エネルギー・資源・環境という地球全体の問題を解決することが急務となっています。その中で注目されている材料に発光ダイオード(LED)があります。LEDは省エネルギーな発光源としてだけでなく、小型・軽量であることも優れた点であり、一般照明への普及が急速に進んでいます。しかし、高出力化や演色性・拡散性の向上のためには、発光材料の改良が不可欠です。
 私たちは、LED照明用の発光材料として、遷移金属イオンや蛍光体とガラスを組み合わせた様々な材料の研究を進めています。例えば、希元素や環境負荷の高い元素を使わずに暖色系の電球色に近い発光を示す銅イオンを用いたガラスや、赤緑青(RGB)三原色を発光する蛍光体を含む高演色性のガラスなど、次世代の照明に必要な材料の研究を行っています。

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光触媒と異種材料を複合化した機能性ガラス複合体の開発

チタニア(TiO2)を代表とする半導体光触媒は、本多-藤嶋効果としても知られる光触媒反応を利用した材料で、日本人が発見した素晴らしい技術です。現在は、主にチタニアの光触媒反応による酸化・還元作用を利用した防汚効果、抗菌・殺菌効果、汚染物質の分解などの機能を発現する材料が開発され、幅広い分野で実用化されています。この光触媒技術が応用できる分野は、さらに広がりつつあります。
私たちは、この半導体光触媒材料とガラス、さらに別の機能を持つ物質を組み合わせることで、汚染物質の光分解、材料の光加工、水素や有機物、さらには生体分子などのセンシングなどが可能な様々な機能性複合材料の創製にチャレンジしています。
 例えば、チタニアと多孔質吸着剤、さらに紫外・可視光を透過するガラス基板やガラスファイバを複合化させることで、揮発性有機化合物(VOC)やアンモニアなどの室内の有害物質を短時間で吸着し、光触媒反応で分解除去できる材料を作る研究をしています。一方、チタニア薄膜や多孔体と白金・パラジウム・金などの貴金属ナノ微粒子を複合化することで、接触燃焼方式によるガスセンサや局在表面プラズモン共鳴を利用した化学・バイオセンサの作製に関する研究も進めています。

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磁気発熱や電気伝導を示すガラスセラミックスの開発

ガラスは一般に電気伝導性や強磁性は示しませんが、半導体や磁性体と複合化することで、それらの性質を発現させることが可能となります。特に電気伝導性を示す磁性体である磁性半導体は、磁場によって電気伝導性が変化したり、高周波磁場によって発熱したりするなど、様々な興味深い性質を示します。
私たちは、この磁性半導体の中で希元素が使われていないフェライトとケイ酸塩ガラスを複合化しています。ガラスとの複合化により、酸化や化学反応からの機能性材料の保護、針状のような特定形状への成形、陶磁器への釉薬掛けによる機能付与が可能となり、高機能かつ低環境負荷材料を実現できると考えています。その中で、酸化物の相分離現象を用いたナノ組織形成・ナノ結晶化プロセスも同時に行っています。
例えば、磁性半導体として、鉄を酸化して得られるマグネタイト(磁鉄鉱)や、酸化マンガン・酸化亜鉛と酸化鉄からなるフェライトとケイ酸塩ガラスを複合化することで、電気伝導性とフェリ磁性を発現する材料が得られています。このような材料は、高温や高湿度など過酷環境下での磁場のセンシングや、IH調理器など高周波磁場下で発熱する陶磁器、さらにガンの温熱治療などへの応用を検討しています。

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