Laboratories 最先端材料を総合的に学び研究する研究室

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教授:石黒 孝
助教:宇部 卓司

自然から学ぶ光と水と物質の世界

●石黒研究室は「ナノシステム材料創製工学」を標榜しています。「ナノ」、「水」、「光」そして「バイオ」がキーワードです。
●私達の身の回りにある物質・材料はその機能発現に必然的な「ナノ」スケールで特徴的な構造を持っています。そこで本研究室では、このナノ構造自体を先ずこの目で観ます。Seeing is believing! です。誰も見たことのないものを観るために必要であれば新しい装置を自分たちで作ります。さらに材料の自己組織化により新しい機能を創り出します。
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●私達はありふれた物質である「水」に強い興味を持っています。なぜでしょう。化学反応の多くは水溶液中で起こります。生命活動もみずみずしい細胞の中の反応です。また、私達は光を透過しないアルミニウム金属膜を超純水と反応させることで、限りなく透明なガラスを作り出すことに成功しました。これは太陽電池の効率化に応用できる発明です。
●こうした反応を「その場観察」するために、私達は水の赤外分光装置を作製しました。これにより生き生きとした水分子の振動をとらえることに成功しました。次に生命のエネルギー代謝の源でもあるアデノシン三リン酸(ATP)の挙動をとらえようとしています。
●金属は水と反応して水酸化物となります。さらに水が抜けると酸化物にも改質されます。アミノ酸分子は脱水反応により結合したんぱく質となります。…こうしてみると水との反応、水の出し入れが「バイオ」ソフトマターや水熱反応の基本的な原理となっていることがわかります。
●私達は、こうした観点から物質・材料を見つめています。そして、研究テーマでもある、太陽「光」エネルギーの有効利用、生命の本質の理解、バイオミメティクス(生物模倣)、金属接合における水の存在による脆性破壊、血液中がん細胞検出デバイス、RNA構成分子の検出…などなど一見、無関係と思われる研究課題に“水”という一つの共通性を見出すことができると考えています。それは、私達が水の惑星「地球」に棲んでいるからなのかもしれません。

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研究例

金属薄膜の透明化

太陽光エネルギーの利用は人類の悲願です。その効率化に多くの技術が集約されています。希薄な光エネルギーは肝心の太陽電池発電層に到達する前に、反射によって15%も失われます。しかしこれは表面や界面に、光の波長よりも小さな凹凸を持たせることで避けられます。これは傾斜屈折率構造といい、膜の表面であれば空気-膜間の屈折率変化を緩やかにするものです。写真は透明化によりほぼ100%の光透過率を達成したガラスです。

金属薄膜の透明化

水の基礎研究

地球表面積のおよそ7割を占める「水」。人体のおよそ6割が「水」であると言われています。我々が生きていく上で欠かせない「水」ですが、実は知られていないことが沢山あります。その一つに「水分子」の挙動が挙げられます。当然、分子そのものを見ることはできません。そこで、代わりに用いられるのがFT-IR(赤外分光器)です。分子の振動や回転運動による赤外線の吸収を利用します。 しかし、水は赤外線の吸収が強すぎるので、赤外線を透過しません。当研究室では、水を限りなく薄くすることでFT-IRでの観察を可能にし、また、温度と圧力を変化させることで写真の黒い水のような超臨界状態までの観察を可能にしました。

水の基礎研究

バイオマターその場観察

私たち人類の体は、様々な物質で構成されています。DNA、細胞、血液、蛋白質…生体を構成しているものや、作り出すもの、これらはまとめてバイオマターと呼ばれます。生体で起こる反応やメカニズムはバイオマターの構造が深く関わっています。当研究室では、透過型電子顕微鏡により高分解能像を撮影することで微細構造を解明しようとしています。どのような3次元立体構造をとっているのか、個々の分子がどのような順番で並んでいてどのような位置に存在し、どのような形状であるか?が分かり、抗体-抗原反応をはじめとする、生体内における様々な反応メカニズムを解く鍵となるでしょう。写真は抗体の高分解能電子顕微鏡写真です。

バイオマターその場観察

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